雪の日に。 [本編]
『、、、、、、、、』
か細い声がする、、。
なんだ、こいつか、、。
寒さに弱いようだな。
とどめを刺すか、、、、、。
、、、、しかたねぇ、、、、つれて帰るか。
!!
重い!!
なんで、こんなに重いんだ?
連れて来たときは、こんなんじゃなかったぞ、、、?
スイカか????
チッ!手間がかかりやがるぜ
運ぶものがいるな
ん? なんか、踏んだか?
ヴォータンの槍 [本編]
眼帯の下にある目は、冥府を見る事ができる、、。
冥府にある、聖なる契約に縛られている俺の槍に呼びかける。
『今こそ、主の手に!
槍よ、雷(いかづち)を呼び、
悪しきものを罰せよ!!』
雷(いかづち)は、、
見事キャニーズに命中!
雪が降る、、、、
季節が飛んじまったようだな、、、
冥府から槍を召還すると決まって時空に歪みが生じる、、。
これに懲りて、俺につきまとうのはやめろ。
聞こえねえか、、、。
さて帰るか、
とんだ災難だったぜ。
炯眼。 [本編]
キャニーズホラー一族の秘宝、、、。
妖しく光る翠の宝玉に俺は、目が奪われた。
キャニーズ: さあ、ヴォータン様
この秘宝の上に、手を重ねて下さい。
それで契約は終わり、
貴方様は、あの子から解放されるでしょう。
簡単でございましょう♡
ヴォータン: 契約の意味するところとは、、、?
キャニーズ: うふふ♡ 契約は契約ですわ。
あの子を、引きとらせていただく、その代償として
貴方様の魂をお預かりするのです。
さあ、ヴォータン様
お手を、、、。
女の形相が変わり、もはやその声は呪詛をはらんでいる、、、。
くっ、、、、。引きずられる。
体がいう事を聞かない、、、、。
俺は声を振り絞り、カラスの相棒に叫ぶ。
『クロ!俺の眼帯を取れ!!』
一途な愛。 [本編]
女は、ゆっくりと向き直る。
キャニーズ: うふふ♡ さて、どういたします?
ヴォータン: 、、、、、、、。
キャニーズ: 困りましたわねえ、、、。
一途な愛は、呪いにも似てますわ
ヴォータン: 一途な愛?
キャニーズ: あの子の、ヴォータン様への思い、
雛鳥が親鳥を慕うように、貴方様を慕っております。
ヴォータン: 馬鹿げている!
キャニーズ: 貴方様にとって、馬鹿げていても
年端のいかぬあの子には、親代わりの貴方に、
捨てられる事は、まさに死活問題ですわ。
逃げられるとお思い?
うふふ、、逃げられませんわよ
貴方、あの子に巻き付かれた時に
あの子の胞子を、御身に植え付けられていますもの♡
マーキングも同じ、どこまでも追っていきますわ
それとも、貴方様の体の中の胞子が発芽して、
捕らえられてしまうかも、しれませんわね。
ヴォータン: 、、、、、。
キャニーズ: 私なら、その呪いから救って差し上げる事も出来ましてよ
いかがなさいます、私と取り引きなさいます?
ヴォータン: 、、、、、お前にそれが出来るというのか?
キャニーズ: ええ、もちろん
キャニーズホラー一族に伝わる秘宝を、持ってすれば。
キャニーズホラー商会、再び。 [本編]
『お困りでしょう?』
派手な車に乗って、突然その女は現れた。
『ご覧の通りさ、、嬉ししいだろう!』俺は吐き捨てるように言い、睨む。
キャニーズ: うふふ♡ 怒ったお顔も、また素敵ですわ。
とにかく駄々っ子ちゃんを、泣き止ましましょうね。
あんまり泣くと、しおれちゃうわ、、、、。
さあさあ、甘い西瓜でも食べて機嫌を直して、、ねっ♡
女は手際良く、化け物を抱き起こし、西瓜を食べさせる。
それにしても、なぜあんなに、車に西瓜を満載しているのだろう、、、。
本編再開。 [本編]
これまでの、あらすじ、、。
俺はヴォータン。
荒涼たる雪原から、突如このバルビレッジに迷い込んでしまった。
この村でも、さすらいに日々を費やしていた俺は、種を拾い育てる。
ところが、この種、とんでもねえ化け物に育ちやがった、、、。
化け物 : ヤダ!ヤダ!ヤダ!
オイテ イクナラ ムラジュウ イシニ スル!
俺は村人全員が石になろうと、知ったこっちゃないが、
俺まで石になるのは、ごめんこうむりたい。
ガキに、こんな力を持たせやがって始末に負えねえ、、。
『うふふ♡お困りのようですわね!』 聞き覚えのある声がした、、、。
化けの皮 [本編]
足早に立ち去ろうとしている、俺の前に奴が立ちふさがった。
ふん!化けの皮がはがれやがった。
幼い子供の顔の下からは、禍々しい大きな目、、。
“蛇眼”とは、よく言ったもんだぜ。
ヴォータン: なんだ、お前!言いたいことがあるなら、いってみやがれ!
しゃべれるんだろ!
化け物 : オイテ イカナイデ、、、。
ヴォータン: お前みたいな、アブないヤツは暮らせねえ。
ここで,飼ってもらいな!
化け物 : ヤダ!!
そして、、、、いきなり目が光った。 俺はとっさに身を伏せた。
やりやがった、、、
この家の生き物すべてが石になった、、、。
捨てる。 [本編]
“逃げる”、“捨てる”、“育てる”
3つのカードから、俺が選んだのは 当然のことだが“捨てる”だ。
意外にも箱に詰められても抵抗することなく、そいつは大人しくしていた。
この村一番のお大尽の家だ。
人情も懐も温かいはず、可愛がってもらえ。
俺はそう言い残して、その場から立ち去った。
どうする、俺、、、、、。 [本編]
迷ったあげくプラントを刈り取った俺は、そいつの姿に動揺した。
ピンク色の小さな子供、、、、。
刈り取る前までの、ぞっとするような巨大な目玉の痕跡もなく、
子供らしき物体は、手をあげて挨拶した。
化け物には違いなく、そいつの外見とのギャップに 俺は途方に暮れた
どうする、、、俺。
刈り取る。 [本編]
まだ眠っている、、、、、、。
チャンスだ。
捨ててしまおう、、。
俺はプラントの背後回り、そいつをバケツごと持ち上げようとした。
「!! ビクともしねえ。」
さらに、渾身の力を入れる。
メキメキッ 鈍い音がして、床板がめくれあがる。
「とても、持ち上げれねえ、根が部屋中を這い回ってやがる。
クソ!、、、、、、、水をやらないで、枯らすしかねえな。」
衝立てを背に思案していた俺は、不意に引き倒された。
化け物め! 絡み付きやがった!! 苦しい、、、。
『みず、、。』
「、、、、、分かったから、離せ!」
つるが離れ身が自由になりつも、足には まだ巻き付いている。
これ以上水をやる訳にはいかないが、この状況。
絶体絶命。
こうなれば二者択一
水をやって、大きくするか、
刈り取ってしまうかだ
いちかばちか、俺は後者にかけた。